篠笛の先祖!?龍笛とは?龍笛の吹き方についても解説!

篠笛の先祖!?龍笛とは?龍笛の吹き方についても解説!

雅楽の代表的な楽器といえば笙、篳篥、龍笛の3つがあげられます。
笙は「天から差し込む光」、篳篥は「地上にこだまする人の声」、龍笛は「天と地の間、空を翔ける龍の鳴き声」を表しています。

3つの雅楽器を比べると、笙は入門用でも約11万円と高く、
篳篥は入門用で約7千円と購入しやすい値段ではありますが、音を出すまでが非常に難しい。

龍笛は篳篥と比べると音も出しやすく、値段も約6千円と購入しやすくなっています。
なので、はじめて雅楽器をさわるのであれば龍笛はおすすめです。

始めやすいだけでなく、牛若丸も吹いていたといわれますし
仏教の守護神で二十八部衆の一員である「迦楼羅天(かるらてん)」の持つ笛も龍笛といわれており、
そのうえ「天と地の間、空を翔ける龍の鳴き声」を表しているといわれている龍笛は非常にカッコいいのでおすすめの雅楽器です。

 

龍笛の歴史や特徴など

龍笛・竜笛どっち?

龍が旧字体で、現在は名前や名称で使われることが多く
常用的に使われるのは竜なんだそう。

なので、「りゅうてき」は龍笛でも竜笛でも問題ないです。

ちなみにウィキペディアでは龍笛で登録されていますが
Googleの検索結果としては龍笛が約574,000件に対し
竜笛は約3,890,000件と圧倒的に多いです。

 

龍笛の特徴

龍笛というよりも、横笛自体の起源は一説では中央アジアが発祥といわれており、シルクロードを経て中国に伝わり龍笛となり、飛鳥時代に日本に伝来されたといわれています。

千年以上の時を経てもほとんど変化せず、音色もそのまま伝わっているの世界最古の音楽とも言われているのが雅楽で、龍笛ももちろん音色の変化なく、今も多くの方に吹かれています。

また、龍笛は能管、篠笛など和楽器の横笛全般の原型・先祖であるともいわれております。

 

雅楽の楽器の中では2オクターブと広い音域をもち、低い音から高い音の間を縦横無尽に駆け抜けるその音色は「舞い立ち昇る龍の鳴き声」と例えられ、それが名前の由来となっているといわれております。

 

龍笛の構造

 

篠笛や能管など、他の横笛と大きな違いは頭の部分(唄口より上側)に鉛が入っていることです。
重り(鉛)を入れることで音が大きくなるんだとか。

龍笛は基本的に唄口、指穴がある部分と、一回り太い頭の部分(鉛が入っている部分)との2本の竹で作られます。

龍笛は篠笛と比べると、唄口も指穴も大きくできており、また剛性が高いため,遠くまでよく通るしっかりした高音の響きがあります。

各部名称

龍笛の部位名称は上から(唄口側から)

頭、唄口、ン(ジ)、テ(カン)、五(ゴ)、丄(ジョウ)、タ(シャク)、中(チュウ)、六(ロク)、尾

となっており、指穴にも名称があります。

龍笛の持ち方は、左手は指の第一関節で指穴を押さえ、左は第二関節押さえます。そして、唄口は下唇の下にあてます。詳しい内容は下記ページにまとめておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

龍笛は独学で吹けるようになるのか?龍笛の吹き方、練習方法を解説!初心者の方必見

 

種類と値段の比較

龍笛は竹製(煤竹製)のものだけではなく、入門用の樹脂製、花梨製、合竹製のものがあります。
また、巻きの素材も籐だけでなく、樺巻き、紐巻もあります。

 
樹脂製

花梨製

合竹製

竹製(煤竹製)
巻無し5,500円---
紐巻-35,200円41,800円-
藤巻--74,800円110,000~220,000円
樺巻---330,000~495,000円

 

同じ素材で値段が違うものは、音の良さで違うといわれております。

  • 2020年10月9日時点での販売価格です
  • 煤竹とは、古い藁葺き屋根民家の屋根裏や天井からとれる竹のこと。100年から200年以上という永い年月をかけ、囲炉裏の煙で燻されて自然についた独特の茶褐色や飴色に変色しているのが特徴です。最近では人工的に短期間で作られた、人口煤竹もあります。

 

龍笛の音域・音程

龍笛は篠笛と同じエアリード楽器ですので、息つかいの違いによって同じ運指でも1オクターブ上の音を出すことができます。

龍笛も篠笛と同じく、音域は2オクターブ程度です。

 

 

和と責の吹き方の違いは、簡単に言うと和はゆっくりと吹く、責は早く吹きます。篠笛と同じように息を吹き入れる速度の違いがあります。

 

最後に

貴族や武士達に親しまれただけあり、龍笛は篠笛と比べると籐の巻きも多く高級感があって見た目もカッコいいです。

音色を聞いたことが無い方は、ぜひ一度下記動画も見てみてください。
もののけ姫の曲はいくつか吹いている方がいますので、ぜひ一度youtubeで「龍笛」と検索してみてください。

 

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